厚生労働省は、2025年度(令和7年度)に実施した「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」を公表しました。
今回の監督指導は、時間外・休日労働が1か月80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間労働による過労死等の労災請求が行われた事業場などを対象に実施されたものです。
約4割で違法な時間外労働
監督指導を実施した29,150事業場のうち、22,882事業場(78.5%)で労働基準関係法令違反が確認されました。
主な違反内容は次のとおりです。
- 違法な時間外労働:11,228事業場(38.5%)
- 賃金不払残業:1,901事業場(6.5%)
- 過重労働による健康障害防止措置の未実施:5,919事業場(20.3%)
さらに、違法な時間外労働が確認された事業場のうち、4,991事業場では、時間外・休日労働が最も長い労働者について月80時間を超える時間外・休日労働が確認され、そのうち2,842事業場では月100時間を超えていました。
労働時間の把握にも注意が必要です
監督指導では、12,811事業場に対して、過重労働による健康障害を防止するための措置が不十分として改善指導が行われています。
また、4,045事業場では、労働時間の把握方法が不適正として指導を受けています。
残業時間そのものを抑えることはもちろんですが、実際の始業・終業時刻を適正に把握できているか、申告された労働時間と実態にずれがないかといった点についても、改めて確認しておきたいところです。
自社の労務管理を改めて確認しましょう
今回の結果は、長時間労働などが疑われる事業場を対象とした監督指導の結果であり、すべての企業における違反率を示すものではありません。
一方で、長時間労働だけでなく、労働時間の把握、割増賃金の支払い、健康障害防止措置など、日常の労務管理に関わる項目について多くの指導が行われています。
36協定の範囲内に収まっているか、実際の労働時間を適正に把握できているか、割増賃金の計算や健康管理に漏れがないかなど、自社の運用を定期的に確認しておくことが大切です。
関連リンク
厚生労働省「2025年度(令和7年度)長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」