令和6年7月12日に厚生労働省から、「令和5年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されました。
令和5年度の施行状況のポイント
1総合労働相談件数は高止まり。助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より増加
・総合労働相談件数は121万400件で、4年連続で120万件を超え、高止まり
2民事上の個別労働関係紛争における相談、あっせんの申請では「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多
・「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は、60,113件(前年度比14.0%減)で12年連続最多
・「いじめ・嫌がらせ」のあっせんの申請件数は、800件(同7.6%減)で10年連続最多
〈補足〉指導・助言の申出件数では、「いじめ・嫌がらせ」は955件で2位(トップは「労働条件の引き下げ」で1,020件)。
3民事上の個別労働関係紛争における相談、助言・指導の申出、あっせんの申請の全項目で、「労働条件の引き下げ」の件数が前年度から増加
・「労働条件の引き下げ」の相談件数は、30,234件(前年度比6.9%増加)
・「労働条件の引き下げ」の助言・指導の申出件数は、1,020件(同26.7%増加し最多)
・「労働条件の引き下げ」のあっせんの申請件数は、380件(同20.6%増加)
「いじめ・嫌がらせ」の件数が多いことはこれまでどおりですが、「労働条件の引き下げ」の件数が前年度から増加している点が、令和5年度の状況の特徴といます。令和5年度の助言・指導とあっせんの事例も記載されており、どのような事由が個別労働紛争の原因になっているのか、確認することができます。自社にも同じようなことが起こっていないか確認されておくといいでしょう。
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