企業では、長期で勤続した従業員に対して、表彰金等を支払う場合があるかと思います。この場合、社会保険の報酬等に該当するのかどうか、取り扱いに悩むことがあるのではないでしょうか。その取扱いが以下の通りQ&Aの形で明確化されました。
【質問】事業主が長期勤続者に対して支給する金銭、金券又は記念品等(以下「永年勤続表彰金」という。)は、「報酬等」に含まれるか。
【答】永年勤続表彰金については、企業により様々な形態で支給されるため、その取扱いについては、名称等で判断するのではなく、その内容に基づき判断を行う必要があるが、少なくとも以下の要件を全て満たすような支給形態であれば、恩恵的に支給されるものとして、原則として「報酬等」に該当しない。
ただし、当該要件を一つでも満たさないことをもって、直ちに「報酬等」と判断するのではなく、事業所に対し、当該永年勤続表彰金の性質について十分確認した上で、総合的に判断すること。
永年勤続表彰金における判断要件
① 表彰の目的
企業の福利厚生施策又は長期勤続の奨励策として実施するもの。なお、支給に併せてリフレッシュ休暇が付与されるような場合は、より福利厚生としての側面が強いと判断される。
② 表彰の基準
勤続年数のみを要件として一律に支給されるもの。
③ 支給の形態
社会通念上いわゆるお祝い金の範囲を超えていないものであって、表彰の間隔が概ね5年以上のもの。
以上のようになっています。
労働力人口の不足が深刻化する中、長期の勤続を功労として称えとともに、長久働いてもらうことを促進したいと考える企業は多くあるかと思います。表彰制度を設計する際には、このような社会保険の面にも考慮するといいでしょう。
なお、労働保険は「年功慰労金」、「勤続褒賞金」は賃金としないものとして示されています。また、所得税は、参考リンクにある国税庁のホームページで示されているため、あわせて確認されることをお勧めします。
社会保険や労働保険に関して不明な点は、弊所までお気軽にご相談下さい。
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