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「こども未来戦略方針」正式決定 少子化対策・加速化プランの方針が明らかに

「こども未来戦略方針」正式決定で今後の企業への影響は?

令和5年6月13日、「こども未来戦略方針」が閣議決定されました。これを受けて、岸田総理は記者会見を開き、国民に理解と協力を求めました。

記者会見では、次元の異なる少子化対策の必要性などを説明したうえで、2030年代までがラストチャンスであることを踏まえた3兆円半ば規模の「加速化プラン(今後3年間の集中的な取組)」の内容に触れています。
今後、企業にも影響があると思われる重要な部分を抜粋します。

■加速化プランの第1の基本理念「若い世代の所得を増やす」について

児童手当については所得制限を撤廃するとともに、高校生の年代まで支給期間を3年間延長し、第3子以降は3万円に倍増する。これらは来年10月分から実施したいと考えている。

・さらに、大学に進んだ場合の高等教育について、授業料減免の対象を年収600万円までの多子世帯等に拡大するとともに、更なる支援拡充を加速化プランに前倒しして実施する。

・出産費用については先行して、今年度から42万円の出産育児一時金を50万円に大幅に引き上げた。第2ステップとして、2026年度からの出産費用の保険適用などを進める。

・働く子育て世帯の収入増を後押しする。
「106万円、130万円の壁」による就労制限は、106 万円・130 万円の壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに引き続き取り組む。

長く指摘されてきた課題。共働き世帯を支援するため、「106万円の壁」を超しても手取り収入が逆転しないよう、必要な費用を補助するなどの支援強化パッケージを本年中に決定し、実行に移す。

・週20時間未満のパートの方々に雇用保険の適用を拡大し、育児休業給付が受け取れるようにするとともに、育児中の自営業やフリーランスの方々に対する国民年金保険料免除措置を創設する。

■第2の基本理念「社会全体の構造や意識を変える」について

・職場が思い切って変わっていくように育休取得率目標を大幅に引き上げて、2030年には85パーセントの男性が育休を取得することを目標とし、育休が当たり前になるようにする。
各企業の取組は、有価証券報告書などを通じて見える化する。
中小企業の負担には十分に配慮し、育休を取った職員に代わる応援手当など助成措置を大幅に拡充する。

・具体的には、時短勤務やテレワークなど多様な働き方を選べる環境を整備して、子供と過ごせる時間をつくれるようにするとともに、育児期間中に完全に休業した場合だけでなく、時短勤務を選んだ場合にも給付をもらえるようにする。

・産後の一定期間に男女で育休を取得した場合の給付率を、手取り10割相当に引き上げる。

■第3の基本理念「全てのこども・子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援する」について

・これまで支援が比較的手薄だった、妊娠・出産時から0歳から2歳の支援を強化していく。
この時期の子育て家庭に対して、10万円の経済的支援と併せて、様々な困難、悩みに応えられる伴走型支援を強化していく。

・また、これまでの保育所のコンセプトを変え、働いているかどうかを問わず、時間単位で柔軟に利用できる「こども誰でも通園制度」を創設し、来年度から制度化の取組を始めたい。

・保育所については、75年ぶりに保育士の配置基準を改善し、保育士1人が見る1歳児を6人から5人にするほか、保育士の処遇改善に取り組んでいく。

法令改正が必要な内容については今後、議論が重ねられていきます。実務対応が必要なものも多くありますが、何より職場の意識や雰囲気を変えていく必要もあります。みなさんの職場の意識や雰囲気はいかがですか>この意識や雰囲気づくりについては、他社に先駆けて進ていくことで、採用や人材の定着において、他社との差別化にもなり、選ばれる企業に繋がるかもしれません。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<こども未来戦略方針(令和5年6月13日閣議決定)/全文>

<6月13日 岸田内閣総理大臣記者会見>

 

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